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呼吸器外科(一般胸部外科・肺癌集学的診療)

一般胸部外科

呼吸器外科(一般胸部外科)では、心臓大血管と食道を除く胸部外科疾患を扱います。そのため、原発性肺癌、難治性の感染症(膿胸や肺化膿症)、気胸などの胸膜疾患、胸壁疾患、縦隔疾患、胸部外傷など取り扱う疾患は多岐にわたります。

特に当院の特徴でもある救急医療に関しては、気胸・膿胸・胸部外傷などの積極的な受け入れを行なっており、年間手術の約6割を占めます。

肺癌集学的診療

当院は、利根医療圏で肺癌の集学的治療(手術、抗癌剤、放射線、緩和)が施行可能な施設です。そのため、手術治療の可否に関わらず、全てのステージにおける治療を行なっております。さらに総合病院かつ救急病院の特性を生かした、併存疾患をお持ちの患者さんや腫瘍学的緊急事態が発生した患者さんへの対応も行なっています。

肺癌のステージと患者さんの状態によって一律に治療方針を決めるのではなく、患者さん個人にとって最も良いと考えられる選択肢を提示できるよう、定期的に腫瘍内科医や呼吸器内科医、病理医、放射線治療医とカンファレンスを行なっております。月2回の胸部腫瘍定例カンファレンスでは、帝京大学医学部腫瘍内科教授である関順彦先生にお越しいただき、当院のような地方病院でも最新の知見に基づいた医療を提供させていただいております。患者さんおよびそのご家族の方へは適切な医学的評価を踏まえた上で個人の病態について説明させていただき、どのような治療方針にするかをよく相談しながら治療にあたります。また、さらに多くの治療法からの選択をご希望される場合には、他院でセカンドオピニオンを受けていただく手配もさせていただきます。

 健康診断での胸部異常陰影や腫瘍マーカー高値に対する診察も行なっていますので、肺癌の診断を受けていなくても遠慮無く受診していただけます。

呼吸器外科からのお願い

当院では内科・外科にかかわらず呼吸器疾患に対する幅広い診療を行なっておりますが、呼吸器外科は常勤医師1名、非常勤医師1名で診療を行っており、呼吸器内科常勤医は配置できていないため治療を行えない疾患もあります。また、他院で治療を行なわれた患者さんのフォローアップに関しても、転居などの特別な事情を除き、人員不足のため制限させていただいております。

重症患者の救急対応や緊急手術などで外来患者さんの待ち時間が長くなったり、予約日時の変更をお願いせざるを得なくなったりすることがあります。病状が安定している患者さんには他院やかかりつけ医での継続通院をお願いさせていただいております。何卒ご理解いただけると幸いです。

埼玉県は人口あたりの医師の数が日本中で最も少なく、当院も厳しい状況におかれていることは例外ではありません。限られた医師と医療資源の中で全てに対応することは困難ですが、出来る限り地域の皆様に貢献できるよう一般診療、救急診療共に一生懸命取り組んでいきます。

主な対象疾患

・原発性肺癌
・転移性肺腫瘍
・良性肺腫瘍
・縦隔腫瘍(胸腺腫、胸腺癌、神経原性腫瘍など)
・胸壁腫瘍
・気管/気管支腫瘍
・気胸
・胸部外傷(気胸、血胸、肋骨骨折、肺挫傷など)
・膿胸
・重症肺炎
・胸水貯留
・胸痛/呼吸困難(循環器疾患を除く)
・胸部異常陰影(健康診断や他の病気のために行った画像検査で偶然指摘された影)

*気管支鏡による生検とCTガイド下生検は当院で行っていないため、他施設を紹介させていただいております。
*他院で治療を行なわれた患者さんのフォローアップは、転居など特別な事情を除き、人員不足のため制限させていただいております。

2025年度(2025年4月~2026年3月)の全身麻酔による手術件数

全手術件数 110件
原発性肺癌 32件
転移性肺腫瘍 6件
肺良性腫瘍 1件
縦隔腫瘍/胸腺手術 1件
気胸/血気胸 30件
感染症(肺炎随伴性胸水/膿胸/肺化膿症) 20件
外傷(鎖骨骨折/肋骨骨折/血胸/気胸) 11件
気管切開 5件
気道狭窄 1件
気管支異物 1件
その他 2件

2025年度(2025年4月~2026年3月)の肺癌化学療法件数

点滴抗癌剤

・新規化学療法導入患者数:15人
・年間治療患者数:25人
・年間延べ薬物投与件数:242件
・年間投与コース数:173コース

経口内服抗癌剤(処方人数)

・オシメルチニブ(タグリッソ®) 5人
・テガフール・ウラシル(ユーエフティー®) 1人
・ソトラシブ(ルマケラス®) 1人
・S-1(ティーエスワン®) 1人
・ダブラフェニブ(タフィンラー®)+トラメチニブ(メキニスト®) 1人
・アレクチニブ(アレセンサ®) 2人
・レンバチニブ(レンビマ®) 1人

2025年度実施レジメン
術後補助化学療法
  1. オシメルチニブ
  2. カルボプラチン+エトポシド
  3. テガフール・ウラシル
  4. シスプラチン+ゲムシタビン
  5. カルボプラチン+ビノレルビン→アテゾリヅマブ
進行再発肺癌に対する全身化学療法
  1. オシメルチニブ
  2. アレクチニブ
  3. ソトラシブ
  4. ダブラフェニブ+トラメチニブ
  5. レンバチニブ
  6. エルロチニブ+ラムシルマブ
  7. カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ+アテゾリヅマブ
  8. カルボプラチン+ナブパクリタキセル+アテゾリヅマブ
  9. カルボプラチン+ナブパクリタキセル+ペムブロリヅマブ
  10. カルボプラチン+ペメトレキセド+ペムブロリヅマブ
  11. カルボプラチン+エトポシド+アテゾリヅマブ
  12. シスプラチン+ゲムシタビン+ネシツムマブ
  13. カルボプラチン+ナブパクリタキセル
  14. カルボプラチン+エトポシド
  15. ドセタキセル+ラムシルマブ
  16. ペムブロリズマブ単剤
  17. テガフール・ギメラシル・オテラシル(S-1)
  18. ドセタキセル単剤
  19. シスプラチン+ S-1 + 胸部放射線照射
  20. カルボプラチン+パクリタキセル+胸部放射線照射
  21. カルボプラチン+エトポシド+胸部放射線照射
  22. 放射線照射後 デュルバルマブ

【学術活動へご協力のお願い】

 当科で検査や治療を受けられた患者様の中で、稀な疾患や教訓的な臨床経過をたどった場合、将来の医療発展のために学会発表や論文発表を通じて外部と情報共有させていただくことがあります。またこれに該当しない場合でも、治療成績を解析することによって今後よりよい治療を提供するため、かつ日本の医療発展のために学会や論文を通じてデータ化された数値を公表させていただくことがあります。これらの場合には決して個人が特定されることのないようにデータを加工し、個人情報漏洩防止に十分配慮した上で行います。当院の個人情報取り扱いについては当院ホームページでお知らせさせていただいております。もし上記に同意されない場合は担当医にお申し出ください。同意されない場合でも、患者様が診療に対して不利な扱いを受けることはありません。

その他

当院は日本外科学会 専門医制度修練施設、日本呼吸器外科学会 専門研修連携施設であり、前期/後期研修医や呼吸器外科専攻医の教育や学会活動、医療的社会貢献へも積極的に取り組んでおります。

2025年度(2025年4月~2026年3月)の学術活動

学会発表
  1. 第48回 日本呼吸器内視鏡学会 学術集会
    下気道異物による左主気管支の完全閉塞で窒息をきたし、気管支鏡下異物除去術を施行した一例
    山元幹太、久保田 魁、大川浩文、出嶋 仁
  2. 関東カマチグループ学術集会
    血胸による心肺停止のため病棟のベッド上で緊急開胸した一例
    篠原匡導、山元幹太、久保田 魁、大川浩文、出嶋 仁
  3. カマチグループ第2回医療を考える会
    臨床倫理コンサルテーションチーム発足までの道のり
  4. 第66回 日本肺癌学会 学術集会
    標的療法によりPSの改善を認めたBRAF陽性非小細胞肺癌の一例
    渡邉悠斗、山元幹太、久保田 魁、香丸真也、割栢健史、市村隆也、関 順彦、出嶋 仁
  5. 第199回 日本胸部外科学会 関東甲信越地方会
    心タンポナーデの原因として上行大動脈破裂が疑われたが、進行性原発性肺癌に因るものであった1症例
    宮田知明、清水将継、宮田貴司、宮田剛彰、出嶋 仁
  6. 第199回 日本胸部外科学会 関東甲信越地方会
    遅発性に気胸を発症した外傷性多発肋骨骨折に対して観血的整復固定術を施行した一例
    佐久間貴裕、香丸真也、出嶋 仁

論文発表
Bedside Resuscitative Thoracotomy in Response to Cardiopulmonary Arrest due to Fatal Hemothorax: A Case Report. Hitoshi Dejima, Masamichi Shinohara, Kanta Yamamoto, Kai Kubota, Shinya Kohmaru, Hirobumi Okawa
Journal of Surgical Case Reports. 2026 Mar 22;2026(3):rjag187.

医療的社会活動
1.第40回 全日本空手道選手権大会(国際空手拳法連盟 白蓮会館主催) 大会ドクター
2.フルコンタクト空手トーナメント 安廣杯(安廣道場主催) 大会ドクター

スタッフ紹介

氏名 出嶋 仁出嶋 仁 (でじま ひとし)
役職 呼吸器外科部長
所属 呼吸器外科
資格等 医学博士
日本外科学会 専門医
日本呼吸器外科学会 専門医、評議員、専門研修指導医
日本呼吸器外科学会 胸腔鏡安全技術認定医
日本結核・非結核性抗酸菌症学会 認定医
肺がんCT 検診読影機構 認定医
日本医師会 健康スポーツ医
厚生労働省 臨床研修指導医
厚生労働省 がんの緩和ケア研修終了
公益社団法人 医療系大学間教養試験実施評価機構 認定評価者
経歴 2008年4月-2010年3月 帝京大学医学部付属病院 初期臨床研修医
2010年4月-2012年3月 公立昭和病院 外科・消化器外科 シニアレジデント
2012年4月-2015年3月 帝京大学医学部 外科学講座 呼吸器外科後期研修医
2015年4月-2017年3月 愛知県がんセンター中央病院 呼吸器外科部シニアレジデント
2017年4月-2018年5月 愛知県がんセンター中央病院 遺伝子病理診断部シニアレジデント
2018年6月-2020年5月 The University of Texas MD Anderson Cancer Center,Department of Translational Molecular Pathology, Postdoctoral fellow
2020年6月-2024年3月 帝京大学医学部 外科学講座 助教
2024年4月- 新久喜総合病院 呼吸器外科 部長(現職)
氏名 竹山 諒非常勤医師
竹山 諒 (たけやま りょう)
専門 呼吸器外科一般
資格等 医学博士
日本外科学会 専門医
氏名 非常勤医師
帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科 教授
関 順彦(せきのぶひこ)
専門 胸部悪性腫瘍
腫瘍内科全般