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13. 特発性正常圧水頭症

くも膜下出血などに引き続き起こる正常圧水頭症を続発性正常圧水頭症と呼んでいます。これに対して、原因の明らかでないものを特発性と呼び、高齢者の方々に発症すると言われています。主な症状は続発性のものと同じく、認知症様症状、尿失禁、歩行障害(3主徴)で、脳室腹腔短絡術により、かなりの症状の改善が期待出来ます。認知症様症状を呈する高齢者の方々の中には、その原因がこの特発性正常圧水頭症である可能性が含まれています。つまりこの疾患も先述の慢性硬膜下血腫と同様、手術により認知症様症状が改善し得る、treatable dementia として認識されるべき病態なのです。
当院では、症状、CTスキャンやMRI検査の所見に加えて、 tap test と呼ばれる検査を行い、診断および治療の精度を上げています。Tap testとは、腰に細い針を刺して脳脊髄液を30~50ml程度排除し、検査後に認知症様症状や歩行障害等の神経症状の改善の有無を調べるテストです。症状が改善した患者さんは、脳室腹腔短絡術が有効である可能性がより高いと判断される訳です。